一方で政府は7月から電気・ガス料金の補助を再開した。しかし補助の恩恵は月最大1820〜2340円程度にとどまり、食品値上げの負担増を完全には相殺できない。本記事では、2026年7月に何が上がるのかを整理し、家計を守るための具体的な節約術と補助金活用法を解説する。
2026年7月の主な値上げ品目
今月の値上げは食品だけに留まらない。大手パンメーカーの山崎製パンは食パン・菓子パン・和洋菓子など306品目を平均6.6%値上げ。伊藤ハム米久ホールディングスは家庭用・業務用合わせて220品目を5〜30%引き上げた。また麦茶・乳酸菌飲料・即席カップ麺・焼酎なども続々と改定価格が適用されている。
値上げの背景には、円安による輸入コストの高止まりと原材料費・物流費の上昇がある。2026年に入っても円ドル相場は160円台で推移しており、輸入依存度が高い小麦・食用油・飼料のコスト上昇が食品メーカーを圧迫し続けている。
図表1:2026年7月の主な値上げ品目一覧
| カテゴリ | 代表品目 | 値上げ率(目安) | 主な原因 |
|---|---|---|---|
| 食パン・パン類 | 山崎製パン各種 | 平均6.6% | 小麦・油脂コスト上昇 |
| ハム・加工肉 | 伊藤ハム・米久各種 | 5〜30% | 豚肉・包材費上昇 |
| 即席カップ麺 | 各社主要商品 | 5〜15% | 小麦粉・油脂コスト |
| 飲料(麦茶・乳酸菌) | 各社ペットボトル製品 | 3〜10% | 原材料・容器代 |
| 焼酎・酒類 | 各社定番商品 | 5〜10% | 原料費・物流費 |
| 調味料 | 醤油・みりん各種 | 5〜8% | 大豆・包材費上昇 |
| 冷凍食品 | 弁当・揚げ物類 | 5〜15% | 電力・輸送費上昇 |
電気・ガス補助の再開——いくら安くなるのか
政府は2026年7月から9月まで3か月間、電気・ガス料金の補助を再実施する。予備費5135億円を投じて標準的な家庭では3か月合計で約5000円の負担軽減を見込む。具体的には電気代が月1000〜1300円程度、都市ガスが月400〜500円程度安くなる計算だ。
ただし注意が必要なのは、7月〜9月は夏のエアコン需要がピークを迎える時期ということだ。使用量が増えれば補助があっても請求額は上がる可能性がある。節電と補助を組み合わせることが家計防衛の鍵となる。
4人家族の家計シミュレーション
では実際に4人家族の家計はどう変わるのか。第一生命経済研究所の試算によると、2025年比で2026年の年間支出は約8.9万円増加する見通しだ。食費の増加が最も大きく、次いで光熱費が続く。政府の補助金で光熱費の一部は軽減されるが、食費の増加は補助の対象外のため、節約工夫が不可欠だ。
図表2:4人家族の支出増加シミュレーション(2025年比・年間)
| 支出項目 | 2025年(月額) | 2026年(月額) | 年間増加額 | 政府補助の効果 |
|---|---|---|---|---|
| 食費 | 約82,000円 | 約88,000円 | +72,000円 | なし |
| 電気代 | 約13,000円 | 約14,500円 | +18,000円 | 月約1,200円軽減 |
| 都市ガス代 | 約6,000円 | 約6,800円 | +9,600円 | 月約450円軽減 |
| 日用品 | 約20,000円 | 約21,500円 | +18,000円 | なし |
| 外食費 | 約30,000円 | 約32,000円 | +24,000円 | なし |
| 合計増加額 | — | — | +141,600円 | 年間約19,800円軽減 |
今すぐできる5つの家計防衛策
①スーパーのPBブランドを積極活用する
イオン、セブン-イレブン、イトーヨーカドーなどのプライベートブランド(PB)商品は、メーカー品と比べて同等の品質でありながら価格が15〜30%程度安い。特にパン・麺類・調味料・冷凍食品などは値上げの直撃を受けているカテゴリで、PBへの切り替えが最も効果的だ。
②まとめ買いとフードロス削減を両立させる
値上がりした商品は「特売日にまとめ買い」が有効だ。ただし買いすぎによるフードロスが生じると節約効果が薄れる。冷凍保存の活用(食パン・肉類・魚介類)や、まとめ調理(作り置きおかず)を組み合わせれば、食費を月5000〜10000円程度削減できる可能性がある。
③エアコンの設定温度と使い方を最適化する
夏のエアコン節電は電気代削減の最大のポイント。設定温度を26〜28℃にし、扇風機との併用でより涼しく感じられる。また「こまめに消す」より「つけっぱなしの方が安い」というケースも多いため、外出30分以内なら消さない選択も有効だ。フィルター掃除を月1回行うだけで電気代が最大10%節約できる。
④政府・自治体の補助金・給付金を漏れなく受け取る
電気・ガス補助は自動的に料金に反映されるが、自治体独自の生活支援給付金は申請が必要なケースもある。お住まいの市区町村のホームページで「物価高騰対策」「生活支援給付金」などのキーワードで検索し、対象になっていないか確認しよう。子育て世帯・低所得世帯向けの追加給付が実施されている地域も多い。
⑤食費の「聖域」を一つ決めてメリハリをつける
全方位の節約は精神的な疲弊を招き、長続きしない。「週1回の外食は維持する」「お気に入りのコーヒーだけはやめない」など、削らない「聖域」を一つ決め、その他を徹底的に見直す方が持続可能だ。節約は生活の質を下げるものではなく、優先順位を明確にするツールと捉えよう。
節約アプリとポイント活用も忘れずに
近年、食費節約を支援するアプリが充実している。「シュフー」「Shufoo!」などのチラシアプリで近隣スーパーの特売情報を比較し、最安値の店舗で購入するのが基本だ。また楽天市場・Amazonのまとめ買い定期便や、PayPay・楽天ペイなどのキャッシュレス決済ポイントを食費に活用すれば、実質的な割引率を高めることができる。
値上げが続く日本で家計を守るには、「何が上がったか」を把握し、「代替手段」と「補助制度」を組み合わせることが重要だ。一つひとつの節約額は小さくても、複数の対策を組み合わせることで年間数万円の効果が期待できる。物価高は今後も続く可能性が高いだけに、今から対策を習慣化しておくことが、家計を守る最善の方法だ。
💰 この記事は「日本の家計・マネー2026完全ガイド」の一部です。物価・賃金・金利・NISAなど関連テーマもあわせてご覧ください。