「円安163円」でもアジア旅行はお得?——韓国・タイ・ベトナム・台湾の旅費を3泊4日で徹底比較

「海外旅行に行きたいけど、円安だから高くなったんじゃないの?」——そんな声をよく耳にする。たしかに、ドル円相場が163円前後で推移する2026年の夏は、ヨーロッパやアメリカへの旅行費用は跳ね上がっている。しかしアジアはどうだろう?実は、アジア近隣国の物価は日本円の購買力が落ちている中でも「まだまだお得」な国が多い。本稿では、韓国・タイ・ベトナム・台湾の4カ国について、3泊4日の旅費を徹底比較し、「円安でもアジア旅行は得か損か」を数字で検証する。

そもそも「円安」でアジア旅行はどれだけ高くなったのか

2020年頃、ドル円相場は1ドル=105〜110円程度だった。2026年7月現在、それが163円前後まで円安が進んでいる。つまり、同じ金額の買い物をしても、円で払うと約1.5倍の費用がかかる計算だ。

しかし、アジア各国の通貨はドルではなくバーツ(タイ)・ドン(ベトナム)・ウォン(韓国)・台湾ドルだ。これらの通貨も、米ドルに対してある程度連動して下落しているか、あるいは独自の物価水準が日本よりも大幅に低い。結果として、「円安分の痛み」をある程度カバーしてくれる目的地が、アジアには少なくない。

図表1:アジア4カ国の旅行費用比較(1人・3泊4日・2026年夏)

項目 韓国(ソウル) タイ(バンコク) ベトナム(ハノイ/ホーチミン) 台湾(台北)
航空券(往復) 約2〜4万円(LCC) 約3〜6万円(LCC〜乗継) 約3〜5万円(LCC〜乗継) 約2〜4万円(LCC)
ホテル(3泊・中級) 約2〜4万円 約1.5〜3万円 約1〜2万円 約2〜4万円
食費(3日間・1日3食) 約1〜1.5万円 約3,000〜6,000円 約2,000〜4,000円 約1〜1.5万円
交通費(現地3日間) 約3,000〜5,000円 約2,000〜5,000円 約1,500〜3,000円 約2,000〜4,000円
観光・買い物(目安) 約1〜3万円 約1〜3万円 約5,000〜2万円 約1〜3万円
合計(節約プラン) 約6〜8万円 約6〜9万円 約5〜7万円 約6〜9万円
合計(中程度プラン) 約10〜14万円 約9〜14万円 約7〜10万円 約9〜14万円
2020年比での費用変化 +20〜30%増 +10〜15%増 ほぼ横ばい〜微増 +20〜25%増
出所:各旅行サイト(JTB・HIS・newt等)、2026年7月時点の参考相場をもとに作成

国別の「お得感」を深掘り

韓国:近くて手軽な「定番の選択肢」

ソウルへの航空券は、LCCのセールを活用すると往復2万円台から入手できる。飛行時間は約2〜3時間で、日帰りも可能な距離感だ。食費は物価上昇の影響で2020年比では高くなっているが、それでも1食あたり600〜1,500円程度と日本の外食より安い。コスメや服の買い物も円安の影響を受けているが、東大門や南大門の問屋街を活用すれば掘り出し物も多い。「初めての海外旅行」や「週末弾丸旅」にもっとも向いている目的地だ。

タイ:物価の安さが円安をカバー

バンコクの屋台では1食50〜100バーツ(日本円で約200〜400円)から食事が楽しめる。ホテルも日本円で1泊5,000円以下の中級ホテルが豊富にある。タイバーツは対ドルでそれほど強くないため、円安の痛みが比較的軽い。マッサージ(足裏・全身)が1時間1,000〜1,500円程度で受けられるのも大きな魅力だ。3泊4日の総費用を7〜10万円に収めることは十分可能で、「コスパ重視派」には最適だ。

ベトナム:アジア最高峰のコスパ

物価の安さではアジア随一だ。屋台のフォーやブンボーは1杯80〜150円、ミネラルウォーター(500ml)は50〜80円、ビアホイ(生ビール)は1杯50円ほど。ゲストハウスや格安ホテルなら1泊2,000〜4,000円で泊まれる。ベトナムドンは2020年からほぼ変わっていないため、円安の影響は最小限だ。5万円台から楽しめる海外旅行の「最終兵器」といえる。

台湾:食の豊かさと旅行しやすさが魅力

台北は夜市の食べ歩きや小籠包・牛肉麺など、グルメが充実している。物価は韓国と似たレベルで、円安の影響もほぼ同程度だ。ただ治安の良さ、日本語が通じる場面の多さ、清潔感の高さは群を抜いており「旅行しやすさ」では4カ国中トップ。費用は韓国とほぼ同じ水準だが、満足度の高さで選ぶ人も多い。

図表2:旅行先別「物価の安さ」と「円安ダメージ」の総合評価

評価項目 韓国 タイ ベトナム 台湾
現地物価の安さ △(中程度) ○(安い) ◎(非常に安い) △(中程度)
円安ダメージの少なさ △(やや影響大) ○(影響小) ◎(ほぼ影響なし) △(やや影響大)
航空券の安さ・近さ ◎(近くて安い) ○(LCCあり) ○(LCCあり) ◎(近くて安い)
食事の満足度 ◎(多彩) ◎(スパイシー系) ○(シンプル) ◎(グルメ豊富)
旅行のしやすさ ○(英語力不要) ○(観光地化) △(英語不足も) ◎(日本語OK多数)
総合コスパ評価 ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆
こんな人におすすめ 初心者・弾丸族 グルメ・癒し派 節約派・初海外 安心重視・食好き
編集部評価。◎=非常に良い、○=良い、△=普通

「円安でも損しない」旅行術3選

①LCCのセールを狙え:ピーチ・エアアジア・ジェットスターなどのLCCは、早割や特別セールで往復1〜2万円台の航空券が出ることがある。旅行の1〜3か月前からスカイスキャナー・トラベルコ等でこまめにチェックしよう。

②海外対応カードを使う:空港の両替は手数料が高い。ソニー銀行やSBI新生銀行の海外専用デビットカード、またはクレジットカードの海外キャッシングを活用すると、両替コストを大幅に削減できる。

③食事は「現地の食堂」を選ぶ:観光地のレストランや日本食レストランは現地物価の3〜5倍するケースも多い。屋台・市場・ローカル食堂を使えば、食費は想定の半分以下になる。現地の人が並んでいる店がベストの目安だ。

まとめ:「円安だから行けない」はもったいない

円安163円の時代であっても、アジア旅行のコスパは依然として高い。特にベトナム・タイは、円安の打撃を物価の安さで十分に相殺できる。韓国・台湾も近さと旅行のしやすさで根強い人気を誇る。「お金がかかるから海外旅行は無理」と諦める前に、まずアジア近隣国を選択肢として検討してみてほしい。うまく計画すれば5〜10万円で、日常とはまったく違う体験ができる。それがアジア旅行の、今も変わらない魅力だ。

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